玄関は毎日使う身近な出入口ですが、住宅への侵入窃盗では、玄関などの表出入口も主要な侵入口の一つです。
警察庁の「住まいる防犯110番」では、一戸建住宅の侵入窃盗の侵入口として「窓」に次いで「表出入口」が多く、侵入手口では無締まり、ガラス破り、ドア錠破りなどが確認されています。警察庁は、出入口や窓の確実な施錠、防犯性能の高い建物部品(CP部品)、補助錠などの活用を案内しています。
そのため玄関では、
- 確実に施錠する
- 錠前や補助錠を見直す
- ドア周辺の破壊対策を行う
- 周囲の見通しや照明を改善する
- 必要に応じて防犯カメラなどを設置する
といった複数の対策を組み合わせることが重要です。
この記事では、玄関を狙った主な侵入手口から、ディンプルキー・補助錠・スマートロック・防犯カメラなどの具体的な対策まで、選び方と注意点を整理します。
家全体の防犯から考えたい方へ
住宅が狙われやすくなる環境や、防犯の基本的な考え方については、
「空き巣に狙われやすい家の特徴10選!防犯4原則で守る効果的な対策」
も参考にしてください。
なぜ玄関の防犯対策が重要なのか?
玄関は日常的に使用する出入口である一方、侵入窃盗の侵入口にもなっています。
警察庁によると、一戸建住宅では侵入窃盗の侵入口として「窓」が最も多く、次いで「表出入口」が多いとされています。共同住宅では「表出入口」が最も多い区分もあります。
また、警察庁は玄関などの出入口について、確実な施錠や防犯性能の高い建物部品、補助錠などの活用を案内しています。
つまり、窓だけでなく玄関も含めて住宅全体の開口部を対策することが重要です。
玄関の防犯を考えるときは、
「鍵をかける」
→「破られにくくする」
→「周囲から確認されやすい環境にする」
という順番で考えると整理しやすくなります。
玄関を狙う主な侵入手口
玄関では、主に次のような侵入手口が確認されています。
無締まり
鍵をかけていない玄関などから侵入されるケースです。
警察庁の資料でも、住宅への侵入窃盗では無締まりによる被害が多く発生しており、出入口や窓には確実に施錠する習慣が重要とされています。
「少しの外出だから」と考えず、短時間でも施錠することが基本です。
在宅中でも、使用していない部屋や出入口の施錠を習慣にしておくとよいでしょう。
ピッキング
鍵穴に特殊な工具を使用して、錠を不正に解錠する手口です。
現在の錠前でも製品によって防犯性能が異なるため、鍵を交換する場合は、単に鍵の種類だけを見るのではなく、防犯性能を確認して選ぶことが重要です。
サムターン回し
玄関ドアの外側から工具などを使用して、室内側のサムターンを操作する手口です。
警察庁は、壊したドアスコープや取り外したドアノブの穴、ドアと壁の隙間などから特殊工具を入れてサムターンを回す手口を紹介しています。
ドア錠こじ破り
ドアとドア枠の隙間などに工具を入れ、錠部分を破壊して侵入する手口です。
警察庁は、この対策として補助錠やガードプレートの設置を案内しています。
合鍵の悪用
玄関付近に合鍵を置いておくと、不正に使用される可能性があります。
また、鍵を必要のない人に見せたり、写真や動画に写したりすることも避けた方が安全です。
警察庁も、鍵は持ち歩き、郵便受けなど玄関付近に置かないことや、必要最低限の本数だけを複製して適切に管理することを案内しています。
玄関の防犯対策8選
玄関の防犯では、一つの対策だけに頼るのではなく、施錠・物理的な補強・周囲の環境整備を組み合わせることが重要です。
1.防犯性能の高いシリンダーに交換する
古い錠前を使用している場合は、防犯性能を確認したうえでシリンダー交換を検討できます。
警察庁は、侵入対策として**防犯性能の高い建物部品(CP部品)**の活用を案内しています。
CPマークは、警察庁などによる官民合同会議で定められた試験に合格し、防犯性能の高い建物部品として目録に掲載された製品に使用されます。錠、シリンダー、サムターンなども対象です。
そのため鍵交換を検討する場合は、
- ディンプルキーかどうか
- 防犯性能に関する表示
- CP部品に該当するか
- 現在のドア・錠との適合性
などを確認しましょう。
「ディンプルキーだから必ず安心」と考えるのではなく、製品そのものの防犯性能を見ることが重要です。
2.補助錠を追加して1ドア2ロックにする
既存の錠に加えて補助錠を取り付ける方法です。
警察庁も、ドア錠破りや戸外しへの対策としてワンドア・ツーロックを案内しています。
既存の錠だけでは不安という場合に検討しやすい対策です。
賃貸住宅では、穴あけ不要タイプなどもありますが、取り付け前に管理会社や貸主への確認が必要な場合があります。
3.スマートロックを導入する
スマートロックには、スマートフォンや暗証番号、ICカードなどを利用して解錠できる製品があります。
防犯面で確認したいポイントの一つがオートロック機能です。
オートロック機能があれば、鍵のかけ忘れを防ぎやすくなるため、無締まり対策の一つとして検討できます。
ただし、スマートロックを取り付けたからといって、既存の錠前そのものの防犯性能が高くなるとは限りません。
選ぶ際には、
- オートロック機能
- 非常時の解錠方法
- 電池切れへの対応
- 不正解錠への対策
- 既存の錠との互換性
などを確認しましょう。
4.ガードプレートを取り付ける
ドアとドア枠の隙間を金属製のプレートで覆い、工具を差し込みにくくする対策です。
警察庁も、ドア錠破りなどへの対策としてガードプレートの設置を案内しています。
特に、ドアと枠の隙間からのこじ破りが気になる場合に検討できます。
5.サムターン回し対策を行う
サムターンにカバーを取り付け、外部から工具を使って操作されにくくする方法です。
警察庁も、防犯サムターンへの交換やサムターンカバーの取り付けを対策として挙げています。
取り付ける場合は、現在使用しているドアや錠の構造に適合する製品を選びましょう。
6.ドアスコープを確認する
ドアスコープは訪問者を確認するための設備ですが、防犯上も確認しておきたい部分です。
警察庁は、訪問者を確認するためにドアスコープやインターホンを使用するとともに、ドアスコープについては外から簡単に取り外されないものを推奨しています。
古いドアスコープを使用している場合は、状態を確認し、必要に応じて交換を検討しましょう。
7.センサーライト・防犯カメラを設置する
玄関周辺に人感センサーライトを設置すると、人が近づいた際に照明を点灯させることができます。
また、防犯カメラを設置することで、玄関周辺の状況を確認できるようになります。
警察庁も、防犯環境を整える方法として、照明や防犯灯などによって明るくすること、見通しを確保すること、防犯カメラを活用することなどを案内しています。
防犯カメラを選ぶ場合は、
- 録画機能
- 夜間撮影
- 動体検知
- スマートフォンへの通知
- 保存方法
- 防水・防塵性能
などを確認しましょう。
DIYで防犯カメラを設置したい場合は、以下の記事も参考にしてください。
→ 【壁に穴を開けない】家庭用防犯カメラの設置方法!賃貸・DIYでできる選び方
8.置き鍵をやめ、鍵を適切に管理する
玄関周辺に合鍵を隠す方法は避けましょう。
警察庁も、郵便受けなど玄関付近に鍵を置かず、必要最低限の本数のみを複製して適切に管理することを案内しています。
また、鍵を必要のない人に見せたり、写真や動画に写したりしないことも重要です。
玄関だけでなく「家全体」で防犯を考える
玄関だけを強化しても、窓や勝手口など別の侵入口が無防備であれば、住宅全体としての防犯には限界があります。
警察庁のデータでも、住宅では窓と表出入口からの侵入が多い傾向が示されています。
そのため、
玄関
↓
1階の窓
↓
勝手口
↓
家の外周
というように、住宅全体を確認していくと整理しやすくなります。
玄関の防犯対策だけでなく、家全体の弱点を一度確認してみましょう。
セルフ防犯とホームセキュリティの違い
玄関の防犯には、自分で設備を追加する方法と、警備会社のホームセキュリティを利用する方法があります。
| 項目 | セルフ防犯 | ホームセキュリティ |
|---|---|---|
| 主な対策 | 鍵・補助錠・ライト・カメラなど | センサー・警報・通知など |
| 初期費用 | 機器・工事費など | 契約プランによる |
| 月額費用 | 基本的に不要なものも多い | サービスによって発生 |
| 異常時 | 自分で確認・対応 | 契約内容に応じて通知・対応 |
| 対策範囲 | 必要な場所を個別に対策 | 複数箇所をまとめて管理できる場合がある |
| 向いているケース | 必要な場所から低コストで対策したい | 不在時も含めて監視体制を整えたい |
ホームセキュリティは、具体的な機器構成や異常時の対応、費用などがサービス・プランによって異なります。
そのため契約を検討する場合は、月額料金だけでなく、初期費用・機器・補償・警備員の対応条件などをまとめて確認することが重要です。
ホームセキュリティも比較して検討したい方へ
玄関だけでなく、窓や勝手口など家全体の防犯を考える場合は、ホームセキュリティのサービス内容や費用を比較して検討する方法があります。
セコム
家全体の防犯をホームセキュリティで検討するなら
玄関や窓などの異常をセンサーで監視し、異常時の対応まで含めて検討できます。
▼ セコムの資料請求・見積もりはこちら
ALSOK
自宅の防犯をまとめて見直すなら
玄関・窓などの防犯を、ホームセキュリティという選択肢から検討できます。
▼ ALSOKの資料請求・見積もりはこちら
※サービス内容、料金、センサーの設置範囲、警備員の対応条件などは、サービス・契約内容によって異なります。契約前に各社の公式情報をご確認ください。
セコムとALSOKの違いを比較したい方へ
料金だけでなく、
- 初期費用
- 月額料金
- 機器構成
- センサーの種類
- 監視内容
- 駆けつけ
- 補償
- 契約期間
などを確認して比較することが重要です。
→ セコムとALSOKを比較!料金・補償・駆けつけの違いと選び方
防犯ステッカーやダミーカメラも選択肢
できるだけ費用を抑えて防犯対策を始めたい場合は、防犯ステッカーやダミーカメラなどの方法もあります。
ただし、これらはあくまで補助的な対策です。
防犯ステッカーやダミーカメラの役割や限界、設置時の注意点については、こちらで詳しく解説しています。
→ 防犯ステッカー・ダミーカメラは効果ある?メリット・注意点と設置方法を解説
玄関の防犯対策で注意したいこと
賃貸住宅での鍵交換・工事は事前に管理会社へ確認する
賃貸マンションやアパートでシリンダー交換や補助錠の取り付けを行う場合は、事前に貸主や管理会社へ確認しましょう。
許可が必要な場合もあるため、自己判断でドアに穴を開けたり、錠前を交換したりすることは避けた方が安全です。
穴あけ不要タイプなど、原状回復しやすい製品を選択する方法もあります。
玄関だけでなく「窓や勝手口」とのバランスを考える
玄関の鍵を交換しても、裏手の勝手口や1階の窓が無防備であれば、住宅全体としての防犯対策には限界があります。
玄関の対策と並行して、
- 1階の窓
- 勝手口
- ベランダ
- 駐車場
- 家の外周
なども確認しておきましょう。
まとめ|玄関は「施錠+物理対策+周囲の環境」で考える
玄関の防犯では、まず確実な施錠が基本です。
そのうえで、
- 防犯性能の高い錠
- 補助錠
- ガードプレート
- サムターン対策
- スマートロック
- センサーライト
- 防犯カメラ
- 適切な鍵管理
などを、自宅の状況に応じて組み合わせます。
また、玄関だけでなく窓や勝手口なども含めて、住宅全体の防犯バランスを確認することが重要です。
まずは、
① 確実に施錠する
② 玄関を破られにくくする
③ 周囲から確認されやすい環境をつくる
④ 必要に応じて防犯カメラなどを追加する
という順番で見直してみるとよいでしょう。
家全体の防犯まで検討したい方へ
「自分で防犯設備を追加するか」
「ホームセキュリティを利用するか」
で迷っている場合は、それぞれの費用やサービス内容を比較してから判断する方法があります。
特に、外出中や就寝中も含めて家全体の防犯を考える場合は、ホームセキュリティも比較対象になります。
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